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親の介護は私に丸投げなのに、相続はきっちり法定相続分!?妹と揉めるポイントと事前対策をわかりやすく解説

こんにちは。

相続のお悩みは、とかく家族の事情が入り組んでいて頭を抱えがちですよね。

今回は「親の世話はほとんど私がやってきたのに、何もしなかった妹が法定相続分をしっかり主張してきそう!」というケースをテーマに、どんなポイントで揉めるのか、そしてどんな対策を取れるのかをわかりやすくお話しします。


1. よくある「介護した・しない」のトラブルとは?

相続が発生すると、法律で決まった「法定相続分」に沿って遺産を分けるのが基本です。たとえば、親が亡くなった場合に相続人が「子ども2人だけ」であれば、法律上は2分の1ずつ分けるのが原則になります。

しかし、現実には「介護にかけた苦労」や「親の身の回りの世話に費やした時間」を考えると、“ただ半分ずつ” では納得できないことも多いのです。

「私は仕事をセーブしながら何年も介護をして、時間もお金もかかっているのに、妹は顔も出さなかった。それなのに、相続になると妹も当然のごとく半分を求めてくるなんて…」と感じても無理はありません。

こうしたケースでは、「寄与分(きよぶん)」「特別寄与料」 といった仕組みがポイントになります。言葉だけ聞くと「難しそう…」と思われるかもしれませんが、噛み砕いて説明していきますね。


2. 「寄与分」と「特別寄与料」ってなに?

寄与分

寄与分は、相続人が被相続人(亡くなった方)の財産維持や増加に特別に貢献した場合に、その貢献分を相続財産の分け方に反映させる制度です。たとえば、

  • 親の事業を一緒に支え続けてきた
  • 親の土地や家のローン返済を肩代わりした
  • 親の介護や看護に長期間、実質的・金銭的サポートをしていた
    などが考えられます。

ただし、「寄与分」が認められるには一定の条件があり、どのくらい相続分に上乗せされるかはケースバイケース。家族内で話し合いがつかず、最終的に裁判所に判断を求めることになると、資料をそろえたりする手間もかかります。

特別寄与料

一方で「特別寄与料」は、2019年の法改正で導入された比較的新しい仕組みです。これは、相続人ではない親族(たとえば、亡くなった方の息子の妻など)が介護をしていた場合などに、金銭を請求できる制度です。今回のケースでは「妹も子ども=相続人」にあたるので、厳密にはこの特別寄与料は直接の対象外かもしれません。

しかし、「寄与分」や「特別寄与料」の考え方は、「家族の誰がどれだけ貢献したか」を尊重する方向に法律が変わってきたことを示しています。つまり、「私は親の介護を長年がんばってきた」と主張する立場にも光が当たるようになってきたのです。


3. どんな点で妹と揉める?その理由は?

3-1. 介護の貢献度をめぐる争い

「介護」とひとくちに言っても、時間的・金銭的負担は人それぞれです。「毎日通院に付き添った」「認知症の親の生活を24時間見守った」など、大変な負担を負ったあなたの貢献度は非常に大きいですよね。一方、妹さん側からすると、「しょっちゅう実家に行かなかったのは事実だけれど、金銭面で多少援助していた」「電話で気にかけていた」など、本人なりに主張をしてくる可能性もあります。

このように、お互いが「自分なりには関わった」と主張すると、どこからどこまでを“介護の貢献”とみなすかでトラブルになりやすいのです。

3-2. 遺言書がないまま相続の話が始まる

「親が元気なうちにきちんと遺言書を作っておけばよかった」というケースは山ほどあります。もし遺言書がないと、法定相続分が原則となり、話し合いが難航しがち。結果、「介護をしていた私が同じ扱いになるのはおかしい!」と揉めるわけです。

また、遺言書があっても曖昧な表現だと「この不動産はどうするの?」「預金の一部はどう扱うの?」といったグレーゾーンが残り、結局トラブルになることもあります。

3-3. 過去の家族関係のしこり

「親の介護を丸投げされた」という怒りだけでなく、長年の姉妹間のわだかまりが相続をきっかけに爆発することも珍しくありません。昔からのケンカの原因や嫉妬心、遠方暮らしで物理的に関われなかった等々、家族間の感情は複雑です。法定相続分とは別のところで感情のこじれが揉め事を大きくしてしまうのです。


4. 事前に取れる対策はあるの?

4-1. 親の意思を明確にしてもらう(遺言書の作成)

親がまだ元気なうちに「自筆証書遺言」「公正証書遺言」などを作ってもらうのは、最も有効な対策の一つです。

  • 自筆証書遺言: 親が紙に自筆で書き、署名・押印したもの。気軽に作れる反面、不備があると無効になる恐れがあります。
  • 公正証書遺言: 公証役場で公証人の前で作成するもので、形式上の不備を避けやすく、保管も安心です。

遺言書を作るときには、親御さんが「誰に何をどれくらい相続させたいか」をはっきり書いてもらうのが望ましいですが、さらに「介護を担ってくれた感謝の気持ちを伝える文章」などがあると、あなたに多めに遺産を渡す意図がはっきり伝わります。そうすれば、妹さんも主張しづらくなるでしょう。

ただし、遺言書があっても、法律上「遺留分(いりゅうぶん)」という最低限の取り分を妹さんが主張してくる可能性があります。とはいえ、あなたへの多めの分配が完全に否定されるわけではないので、遺言書があるだけで大きく状況は変わるのです。

4-2. 寄与分の証拠をこまめに記録しておく

「介護の事実」をあとで証明するのは意外と手間がかかります。たとえば、

  • 介護のためにかかった実費の領収書やレシート
  • 通院の際の医療費の明細
  • 介護サービスの契約書、利用明細
  • 介護にかかった日数や時間のメモ

などをこまめに残しておくと、いざというときに「どれだけ尽くしてきたか」を説明しやすくなります。

特に、親御さんが施設に入所している場合は、施設への支払いや面会頻度の記録も大切です。口頭で「私が何年も面倒を見てきたんだよ!」と主張するより、客観的な数字や書類があるほうが説得力が大きいですよ。

4-3. 家族会議で「今後の介護と相続」について話し合う

「親の財産や相続の話は、縁起でもないからしない」という方も多いですが、むしろ親がはっきり口を聞けるうちに家族全員で話し合っておくのがベストです。

  • どのような介護体制をとるのか
  • どんな費用がかかるのか、その負担は誰がするのか
  • 介護を担う人と、そうでない人の相続分をどう考えるのか

といったポイントを、あらかじめみんなで情報共有しておくと、のちのち「そんな話は聞いてない」といったすれ違いを減らせます。

もっとも、家族会議がすんなり進むとは限りません。妹さんが話に乗ってくれなかったり、親が「何となく言いづらい…」と口ごもったり、いろいろなハードルがあります。それでも、あえて家族で時間をとって話し合う姿勢が、将来のトラブル回避につながります。


5. 揉めそうなとき、どうする?最終手段は?

いざ相続が始まってから、妹さんが「私にも法定相続分をよこせ!」と主張し、話し合いがこじれたときは、調停という手段もあります。調停では裁判所で第三者(調停委員)が間に入り、当事者同士が話し合いを進める形です。親族だけで話していては堂々巡りの場合でも、第三者が入ると落としどころが見えてくることがあります。

しかし、調停には時間や手間、費用がかかることもあり、気持ちの面でストレスになる点は注意が必要です。また、調停で合意が得られない場合は、最終的に裁判へ移行することもあります。裁判になればより専門的な書類作成や立証が必要になり、それこそ「介護の実態」を詳しく証明しなければならなくなるでしょう。

したがって、やはり事前に家族で話し合うことや、法的に有効な遺言書を整えてもらうことが一番のトラブル回避につながります。


6. まとめ:感情の縺れをほどく鍵は「早めの準備」と「見える化」

「私は散々苦労したのに、何もしなかった妹が半分ももらうなんておかしい!」と感じるのは当然のことです。しかし、法律の原則としては、兄弟姉妹であれば同じだけの取り分を持っているのも事実。そこを調整するには、親御さんの意思表示(遺言)と、あなたが積み重ねた介護貢献の証拠(寄与分)がカギになるのです。

  • 事前に親に遺言書を作ってもらう
  • 介護にかかった費用や時間を記録しておく
  • 定期的に家族で話し合う場を作る

これらをきちんと準備するだけで、いざ相続が起きたときの「権利主張のぶつかり合い」をかなり軽減できます。

とはいえ、親の介護をしながら書類の整理や家族会議を仕切るのは、本当に大変ですよね。「言いづらい」「親に変に思われたくない」などの悩みで足が止まることもあるでしょう。でも、トラブルが起こってから嘆くより、多少の勇気をもって一歩踏み出すほうが、結果的にはラクです。

「妹が何もしていないのに、相続はきっちり請求してくるんじゃないかしら…」と不安がよぎるなら、今のうちにやれることはやっておきましょう。

いつかくるその日のために、備えは早めに、見える化できるものはしっかり残しておく。これが、あとで「もっと早くやっておけばよかった…」と後悔しないための秘訣です。

最後になりましたが、ここでお伝えした情報はあくまで一般的なものです。家族構成やご事情によっては複雑なケースも少なくありません。もし本格的に揉めそうな気配がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談してみるのも一つの手です。

あなたの頑張りが適切に評価されるよう、ぜひ早め早めの対策で、気持ちよく相続を迎えられるといいですね!

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