こんにちは、とまとです!。
今回は、ちょっとショッキングな相続トラブルについてお話しします。
テーマはズバリ「認知症気味のお母さんに書かせた(書かされた?)怪しげな遺言書」。
ドラマのようでいて、実は現実にもよくあるお話です。
1.ある日、妹が持ってきた“遺言書”

「この前、妹が見せてきた遺言書。
どう考えても母がしっかりしていない時に書かされたとしか思えないんだけど…」
こんな話、珍しくありません。
母が認知症を患っている、またはその初期で物忘れが進んでいた場合に、妹が「これは母が書いた遺言書だから!」と主張してきたら…さあ、どうしましょう?
まずは落ち着いて、次のポイントを確認してみてくださいね。
- 本当に母が書いたの?
字が明らかに違う、母が普段使わない言い回しが入っているなど、母本人の書いたものとは思えない部分はないか。 - 書いた時期はいつ?
母がある程度しっかりしていた頃のものなのか、それとも明らかに意識がはっきりしない時期だったのか。 - 内容が極端ではないか?
妹だけがやたらと得をするような内容だったり、ほかの家族には何も残さないなど、母の本来の気持ちからかけ離れていないか。
こういった点をチェックして、「これはちょっと怪しいな…」と思ったら、次のステップに進んでいきましょう。
2.そもそも“遺言書”として有効なの?
よくある質問として、「母が認知症だったら、その遺言書は無効になるんじゃないの?」というもの。
結論から言うと、認知症の程度やその時の判断能力(法律でいう「意思能力」)次第で変わります。
認知症であっても、遺言書を書く時点で「自分の行為の意味を理解できる能力」があれば有効な場合があります。
逆に、すでに判断力が相当落ちていて、遺言の内容を理解していない状態だったなら、その遺言は無効になりうるのです。
ただし、どこからどこまでが「意思能力アリ」かは専門家でも悩ましい問題。
お医者さんの診断書の内容や、周囲の証言などが重要になってきます。
さらに、遺言書には主に以下のような種類があります。
自筆証書遺言

全文を本人が手書きする遺言書。
書き方に細かいルールがありますが、家族に黙って作りやすいため、今回のように「こっそり書かせた」といったトラブルが起きやすいです。
公正証書遺言

公証役場で公証人に作成してもらう遺言書。
公証人が「この人はちゃんと判断できていますか?」をある程度確認してくれるので、トラブルになりにくいと言われています。
もし妹さんが持ってきたのが自筆証書遺言で、しかも書いたのが「母がだいぶ混乱していた時期」だとしたら、なおさらチェックが必要ですよね。
3.怪しい遺言書、どうやって確認する?
(1)まずは家庭裁判所で「検認」してもらう

自筆証書遺言の場合、家庭裁判所に「検認(けんにん)」という手続きを申し立てます。
検認というのは、「この遺言書があることを家族みんなに知らせて、中身を確認する」作業です。
検認そのものは、遺言書の有効・無効を決めるものではありませんが、日付や署名など形式面の確認には役立ちますし、正式な場で確認することで、「本当にそんな遺言書が出てきたの?」という疑問をはっきりさせられます。
(2)それでも納得いかない!「遺言無効確認」の裁判へ
検認後に「やっぱり、どう見ても母がしっかりしていなかった時期に書かされた遺言書だ」という疑いが拭えない場合は、遺言無効確認訴訟という裁判で決着をつける方法があります。
この裁判では、
などを総合的に調べていきます。
ただ、裁判までもつれると時間もお金もかかりますから、できるなら話し合い(あるいは調停)で解決したいところです。
4.妹の主張が通る? それともこっちが勝つ?

いちばん気になるのが、「結局どっちが有利なの?」という話でしょう。
これはケースバイケースですが、仮に母が遺言を書いた当時に重度の認知症だったという証拠がしっかりそろえば、妹さんが持ってくる遺言書は無効になる可能性があります。
たとえば、
こういったものを集めることで、母の実際の状態を裁判所に示すわけですね。
しかし、一概に「認知症だったから絶対無効」というわけではなく、初期段階でまだ判断ができる状態だったと認められると、有効になる可能性も十分あります。
5.まずは落ち着いて、弁護士や専門家に相談を

こうした遺言トラブルは、感情的に大ゲンカになりがち。
「お姉ちゃんは母のお金を狙ってる」
「妹こそ陰で母を洗脳して書かせたんでしょ!」
とバチバチ火花が散ってしまうと、冷静な話し合いができなくなります。
いざというときは、弁護士や司法書士など相続問題に詳しい専門家に相談するのが安心です。
こういうアドバイスをもらえるので、問題解決への近道になるでしょう。
6.遺留分にも注目! そもそも全部を独り占めはできない?

「遺言書があれば、すべての財産を好きな人にあげられる」というイメージがあるかもしれませんが、日本には遺留分(いりゅうぶん)という制度があります。
遺留分とは、「相続人が最低限もらえる取り分」のことです。
たとえば子どもが2人いる場合、母の財産全部を「妹だけにあげる」と書いた遺言書があったとしても、兄や姉は遺留分を主張して、ある程度の取り分を請求できる可能性があります。
ただ、妹さんが「母が私に全財産を残すって書いたの!」と主張してきても、遺留分に当たる分だけはもらえる道があるということです。
もちろん、遺言書自体が無効だと判断されれば、最初から改めて相続分を話し合うことになります。
7.「母の気持ち」を大切にしたいなら公正証書遺言がおすすめ

「母は昔からきちんとしていた人で、まさかこんなことになろうとは…」と悲しい気持ちになることもあるでしょう。
実は、認知症になったり体調が悪くなる前に、「公正証書遺言」を作っておくのがトラブル防止のカギと言われています。
将来のことを考えるなら、もしお母さんがまだしっかりしている段階であれば、公正証書遺言の作成を検討してみると安心です。
8.トラブル防止のポイントは「早めの対策」と「家族のコミュニケーション」

今回のように、「ボケた母に書かせた?」と疑われる遺言書が出てきてしまうと、相続争いは一気にヒートアップしてしまいます。
一番怖いのは、家族同士のわだかまりが長引いてしまい、取り返しのつかない関係になってしまうことですよね。
早めに家族会議を
母が元気なうちから、「こういう財産がある」「相続についてはこう考えている」とざっくばらんに話しておくと、後々のトラブルがぐっと減ります。
「お母さんの意思が明確なら、公正証書遺言も作っておこうか」と相談するだけでも、かなり安心感が違います。
家族だけでなく専門家にも
家族内の話し合いだけだと、どうしても感情的になったり、誤解が生じたりします。
そんなとき、第三者の専門家(弁護士や司法書士、行政書士など)を交えた「家族会議」を開くのも一つの手。
相続の基本ルールを正しく理解できるし、万一のときの手続きも説明してもらえます。
9.もしトラブルが起きたら…まずは落ち着いて「話し合い」か「調停」へ
いざ妹さんが「私が全部もらうって書いてあるんだから!」と強硬に言ってきた場合、あわててケンカ腰にならず、家庭裁判所の「遺産分割の調停」を利用するのも一案です。
調停委員という第三者が間に入ってくれるので、当事者だけで争うよりは冷静に話し合いを進めやすくなります。
「うちの妹は言っても聞かないからムリ!」と思いがちですが、話し合いの場を設けるだけでも意外と解決への糸口が見つかることは多いです。
どうしても折り合いがつかなければ、最終的には裁判で白黒つけることになりますが、なるべく穏便に解決したいですよね。
10.まとめ:トラブル回避のために知っておきたいこと
最終的には、相続の問題は「お金の話」に見えて、その背景には「家族の思い出」や「人間関係のしこり」が存在します。
「亡くなった母の気持ちを大事にしたい」「兄弟でこれからも仲良くしていきたい」という思いがあるなら、できるだけ早く話し合いの場を作ることが何よりも大切です。
もし現在、妹さんの持ってきた遺言書にモヤモヤしているなら、いきなり感情的に攻め立てるのではなく、専門家のアドバイスを聞きながら冷静に対処しましょう。
相続争いは疲れますし、長引くと家族関係に深い傷が残ります。
「母はきっと、家族が争う姿なんて見たくないはず…」
その気持ちを忘れずに、なるべく落ち着いた話し合いと適切な手続きで解決を目指しましょう。
いかがでしたか?
認知症の母が書いた(書かされた?)遺言書というのは、実際に起こりがちなトラブルです。
しかし、正しく対処すれば「怪しい遺言書」を無効にできる可能性もあるし、「遺留分請求」などで最低限の相続分を守る手段もあります。
ポイントは、焦らず冷静に、そして専門家の力を借りること。
この記事が、同じような状況に悩む方の一助になればうれしいです。
大変なときこそ、家族みんなが納得できるよう、話し合いの糸口を探してみてくださいね。
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