みなさん、こんにちは、とまとです。
「相続」や「遺言書」という言葉を耳にすると、「まだまだ先のことよ」と思わず目をそむけたくなる方も多いかもしれません。
でも、いざというときの備えは、早めにしておくに越したことはありませんよね。
そこで今回は、「自筆証書遺言(じひつしょうしょいごん)」を法務局で預けられる制度について、わかりやすくご紹介したいと思います。
そもそも自筆証書遺言ってなに?

まずは「自筆証書遺言」という言葉から説明しておきましょう。
自筆証書遺言とは、その名のとおり、ご自分の手書きで作成する遺言書のことです。
パソコンで打って印刷するのではなく、紙とペンを使い、ご本人がすべての文面を手書きする必要があります。
実は、ここが大切なポイント。
もしパソコンで印字したものに署名だけ手書きした場合、それは自筆証書遺言とは認められないんです。
「そんなの面倒だわ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この自筆証書遺言はわりと自由に書けるというメリットがあります。
公証人役場を通さなくても作成できますし、自分の気持ちや希望を気軽に綴(つづ)りやすいのです。
法務局での保管制度ってなに?

さて、本題に入りましょう。
自筆証書遺言は、これまでは自宅の机の中や金庫など、書いたご本人がどこかにしまっておくケースがほとんどでした。
でも、「どこにしまったか忘れちゃった…」「家族が勝手に開けてしまわないか不安…」「火事になったらどうしよう?」などなど、保管にまつわるお悩みって尽きないですよね。
そこで注目なのが、2020年(令和2年)にスタートした「自筆証書遺言書保管制度」です。
これは、法務局(ほうむきょく)という国の機関が、遺言書をしっかり預かってくれるというありがたい制度なんです。
法務局に遺言書を持ち込んで保管してもらえば、「どこに置いたかわからなくなる」「うっかり処分してしまう」「勝手に書き換えられてしまう」といったリスクを減らせます。
この制度を利用するメリット

1. 安全・安心な保管
法務局は国が運営していますから、信頼感は抜群。
大事な遺言書がなくなったり、第三者に勝手に改ざんされたりする心配がぐっと減ります。
2. 遺言の存在が明確に
この制度を使えば、遺言書の存在をきちんと記録に残せます。
ご本人が亡くなった後、ご家族は「保管された遺言書があるかどうか」を法務局で確認できます。
つまり、“遺言書を探す”という手間が省けるわけです。
3. 検認手続きが不要
これまで自筆証書遺言を見つけた場合、遺言書の内容を有効にするためには「検認(けんにん)」という家庭裁判所での手続きを行う必要がありました。
しかし、法務局で保管してもらった自筆証書遺言の場合は、この検認手続きがいりません。
ご家族の負担をぐっと軽くできます。
保管制度を利用するための手順

「それなら私も預けてみたいわ!」と思われた方に、ざっくりとした流れをご紹介しますね。
- 自筆証書遺言を書いておく
まずは遺言書の本体を作成します。
全文を手書きで書き、日付と署名、押印(実印でも認印でも可)を忘れずに。
財産や相続人の内容をわかりやすく整理しておきましょう。 - 法務局に事前相談(任意)
もしご不安なことがあれば、事前に法務局に問い合わせてみるのもひとつの手です。
「これで大丈夫かな?」と疑問があれば、専門家に相談するのも安心ですね。 - 法務局へ書類を提出
保管を申し込むには、ご本人が直接法務局へ出向く必要があります。
必要なものは主に以下のとおりです。
- 遺言書(封筒に入れないでください)
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 戸籍謄本など(相続人が確定できる書類があるとスムーズ)
- 収入印紙(保管申請料:1通につき3,900円)
法務局の窓口で申請書を記入し、遺言書を確認してもらったら保管がスタートします。
- 保管証を受け取る
保管が完了すると、法務局から「保管証」が渡されます。
この保管証は大切なものなので、なくさないように保管してくださいね。
どの法務局でも預かってくれるの?

実は、どの法務局でもいいわけではありません。
基本的には「遺言者の住所地、本籍地、もしくは土地や建物などの所在地を管轄する法務局」での取り扱いとなります。
「え、どこが管轄なの?」と迷ったときは、公式サイトや電話などで調べてみると安心です。
保管したあとに内容を変えたくなったら?
人生、何があるかわかりませんよね。
急な事情で、遺言の内容を変更したいと思うこともあるでしょう。
そんなときは、一度保管している遺言書を撤回して(取り下げして)から、新しい遺言書を作成し直すことになります。
その場合、また改めて保管制度を使えばOKです。
少し手間はかかりますが、古い内容と新しい内容がごちゃごちゃになるよりは安心かもしれませんね。
注意点・デメリットはあるの?
保管制度はとても便利ですが、いくつか気をつけるポイントもあります。
書式や書き方がしっかり守られていないと、せっかく預けても無効になる可能性がある

日付や署名、押印など、自筆証書遺言としての形式を守らないと、後から争いのもとになるかもしれません。
ご不安な場合は、弁護士や司法書士など専門家に確認してもらうと安心です。
保管しても、遺言の内容そのものを法務局がチェック・保証するわけではない
法務局は、形式面での確認はしてくれますが、「この内容で本当にいいの?」といったアドバイスをしてくれるわけではありません。
内容の妥当性などは、あくまでもご本人と専門家の判断になります。
まとめ

自筆証書遺言の保管制度は、書いた遺言書をしっかり安全に守ってくれる、とても心強い仕組みです。
人生は長いようであっという間に過ぎてしまいますし、何が起こるか本当にわかりません。
だからこそ、「まだ先のことだから…」と後回しにせず、元気なうちに遺言書作成と保管のことも視野に入れておくと、いざというときの心配が減りますよ。
大切なご家族に自分の思いをきちんと伝え、トラブルをなるべく避けるためにも、ぜひこの保管制度を活用してみてはいかがでしょうか。
もし「どのタイミングで始めたらいいの?」と迷われているようでしたら、「思い立ったが吉日」という言葉をお守りに、まずは一度、法務局や専門家に相談してみると良いかもしれませんね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
少しでも皆さまのお役に立てればうれしいです。
これからも、ご自身やご家族の未来を明るくするための情報を、わかりやすくお届けできればと思います。
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